音楽音響研究会について
――新たに参加される方のために――

音楽音響研究会とは

 音楽音響研究会(英語の Musical Acousticsを略してMA研ともいう)は社団法人である日本音響学会に属する8つの研究委員会の中の1つです。音響学会は科学的な方法を用いて様々な音の性質や作用について研究している人々の集まりであり,MA研は次のような特徴をもっています。

●研究対象は音楽に関係のある音である

話し声,騒音,超音波(聴こえない音)などではなく,楽器の音や歌の声,さらにはそういった音を生み出す楽器,その製作技術,そして音楽演奏,作曲などを研究対象にしています。

●基礎となる学問分野はかなり広く,学際的である

楽器を演奏すると,その音は楽器がもつ物理的原理に従って生み出され,ホールなどの空間の特性に応じて響き,聴く者の耳を通して知覚され,心理的な印象をもたらします。したがって,振動と音波に関する物理学,室内音響学,聴覚生理・心理学がコアの学問といえるでしょう。また,音楽は作曲され,楽譜に書かれ,適当な媒体に音響情報として記録されます。したがって,音楽学や信号・情報処理工学なども関連する学問分野です。

●どなたでも参加できる

 音楽音響学の土俵あるいは土壌は上述したように広く,音響学会の守備範囲を越えていますので,MA研に参加するのに音響学会の会員である必要はありません。音,音楽,楽器などに興味のある方ならば,参加できます。

定期購読者制度を設けている

 研究会の活動を維持し,「音楽音響研究会資料」を発行するために定期購読者制度を設けています。年間資料代(現在,送料込みで一般8千円,学生4千円)をご負担いただき,年間8冊程度の研究会資料をお送りしています。この資料は現在1冊,一般2千円,学生千円としていますので,例会当日個別に購入するのに比べて半額となりますし,研究会に参加できない場合でも確実に郵送で受け取ることができます。年間資料代はMA研活動費の主たる財源となっていますので,できるだけ定期購読者になっていただくことをお願いしています。もちろん,興味のあるテーマを見つけたときに(不定期に)研究会に参加することもできます。

 このようなMA研は「音・音楽・楽器を通して人間を結びつけること」を研究会の大きな目的にしています。したがって,MA研は音楽や楽器に興味をもっている人,音楽家,楽器製作者,演奏家,楽音や聴覚の研究者など多くの人々が自由に交流する場です。年8回程度の研究発表会,夏期セミナー,懇親会,国際交流などの活動によって, 音楽音響学に関する知識の普及, 社会との連携, シーズの提供, ニーズの開拓などを目指し, 参加者間の相互理解に努めています。

〔研究活動〕

これまでの主な研究分野は以下の通りです。
  • 楽器の発音・製作技術(物理,構造,材料,計測,シミュレーションなど)
  • 楽器音の音響的・心理的性質(分析,合成,ピッチ,ラウドネス,音色など)
  • 音楽構造と音楽演奏(非言語情報,生理的・心理的性質,ホール空間など)
  • コンピュータ音楽(アルゴリズム,音と映像,信号処理,支援システムなど)
  • 音と音楽をとりまく環境(その創造・改善・記録,サウンドスケープなど)など

〔交流活動〕

これまでの主な交流活動は以下の通りです。
  • 音響学会内の研究会 (聴覚研究会, 電気音響研究会, 音声研究会, 建築音響研究会など) との共催による研究会
  • 音響学会外の研究会 (情報処理学会音楽情報科学研究会, 電子情報通信学会応用音響研究会など) との共催による研究会
  • 非会員による招待講演 (著名な演奏家, 音楽学者, 関連著書の著者, 外国人研究者などによる講演)

〔将来計画〕

これからの活動計画は以下の通りです。
  • 共催相手の拡大 (音楽学会支部, 東洋音楽学会支部, ピアノ調律師協会, ホルン協会, オルガン研究会, 木材学会支部, 楽器考古学研究会などとの共催を検討中。会員の積極的な希望や企画を募る)
  • 社会との連携 (各地の科学館, 博物館, 美術館との連携, 中・高校の教師や学生を対象とした会の開催などを検討中)
  • 国際音楽音響シンポジウムの開催

〔歴代委員長〕

1980〜1985年度  中村 勲
1986〜1989年度  安藤 由典
1990〜1993年度  井戸川 徹
1994〜1997年度  田口 友康
1998〜2001年度  永井 啓之亮
2002〜2005年度  吉川 茂
2006〜2009年度  柳田 益造
2010年度〜現在  西口 磯春